卒業生の先輩方へ

 寒い日々の中で少しだけ差した陽光を糧に、桜の花が開く季節になりました。

私の見ているこの桜は先輩方の卒業の日には満開を迎えているでしょうか?そして私も、この桜とともに先輩方のご卒業を心からお祝い申し上げます。

 

 

 今年度卒業される先輩方は私にとって、ともに活動したことのある唯一の先輩となります。

思えば大学一年生の春にこのサークルのトビラを叩き、たくさんのことを先輩方と経験させていただいたと思います。

美味しいご飯をご馳走していただいたり、終電を逃すまで大学祭の夜に映画を見たり、花火をしたこともありました。

大学に入って初めて牛丼や天丼なるものを食べた時、きっとそれらは「ものすごく美味しい」ものではなかったのでしょう、それでもとても「美味しい」と思いました。

 

綴で行なったダーツの旅(という名の遠出)、行った場所があまりにも辺鄙で、帰りに池袋で映画をみて帰るという活動もありました。

文芸サークルでありながら行なったマーブリングはそれぞれの個性が見えて面白かったです。

 

振り返ると、勿論楽しいことばかりではなく、時に先輩方の何気ない一言に傷ついたこともありましたが……それでも「楽しかったなぁ」と思います。

そして私はこのような体験をこの綴でできたことを嬉しく、幸せに思います。

 

 先輩方は大学を卒業し、そして私たちよりも一足先に社会の歯車となるのでしょう。

どうか先輩方が道に迷い、自信を失った時にも「自分にも幸せを与えることができる」ということが、いつかどこかで灯りとなってくれたら嬉しいです。新たなところへ旅立たれる先輩方に、いただいた縁を「幸せです」とお伝えすることをもって、私なりのエールを送るとともに、謝辞にしたいと思います。

 

この度は、ご卒業おめでとうございます。

 

 

2018.03.21     東洋大学文芸サークル綴 会長 烏羽 祐凪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画像は今年度の卒業生に宛てて、在校生有志よりプレゼントさせていただいた卒業祝いです。

ハンカチにペンネームが刺繍されています。